“はじまり”が咲いています。
朝の教室をちらり。まだ誰もいない静かな空間に、黒板の文字だけが浮かびあがっていました。白いチョークで大きく書かれた「きょうもたのしくがんばります」。担任の先生の、あのまっすぐな字。「たのしんでほしい」「がんばってほしい」祈りに似た願いが込められています。
入学式のエントランスを彩ったあなたの想いも、ここで静かに、でも確かに輝いています。春は、やっぱりすごい。こんなにもたくさんの“はじまり”が咲いています。
「おはよう」「こっちだよ」上級生のその姿に、胸がじんわりあたたかくなります。有難いなあ。ほんとうに。こんなふうに、想いはちゃんと受け継がれていくんだ。誰かのはじまりに寄り添えるって、きっと、それだけで尊いんです。
うってかわって、ここは中学年の教室。給食の時間、元気のボリュームは最高潮。「先生、おかわりー!」「ぼくも!」「わたしもーっ!」列に並ぶ子どもたちは、まるで小さな行列のグルメ探検隊。
大盛に盛られたスパゲティ。そのお皿を前にしてちょっと目をまるくするお友達。「えっ……だいじょうぶ? 食べられるの?」大丈夫です。へっちゃらなんです。こういう時間、教室ってやっぱりいいなあって思います。おなかも心も、満たされていく時間。