今年は二本立て
小さな足音が、廊下に響きます。一年生は前を見てまっすぐ、二年生はそっと横に寄り添って。みんなどこに行くのかな?そうか,今日は毎年恒例の学校探検!
ちょっぴり緊張気味の一年生に、「ここから出発よ」と優しく声をかける先輩たち。そして、ぽん。
1つ目のスタンプが押されます。
「上手ね、こうやって押すの」やさしく声をかける先輩。
おおっと、ここは職員室!ふだんはちょっと遠い場所。一年生の足がぴたりと止まる。「しーっ…」「え、入っていいの…?」緊張のピークを、わたくしガタやんがつくってしまいました。「だいじょうぶだよ、入っておいで~!!」
「ぼくは、自前のスタンプを押しました」鞄の奥から 大事そうに出して、ぽん。にこにこ星マークのスタンプ。一年生も二年生の先輩も、「ふふっ」と笑って見てくれました。
しずかな図書室にもスタンプの音がひとつ。背のびして押したそのあとで、となりの子がそっと言った。「何度も来ようね」その言葉に、うなずきながら押す。なんだか、本の世界の扉が開いた気がしました。
次にたどり着いたのは、保健室。「こんにちは」と、優しい先生の声が響きます。小さな手がスタンプを押し、心がほっとするような空気に包まれました。
「何かあったら、また来てね」その言葉が、何よりも心強くて、温かくて。「ケガをしても、熱が出ても、大丈夫かも!?」そんな気がしてきちゃったよ。
たくさんの場所を訪れて、その背中に漂うのは、安堵と満足感。「ひとまず探検は終わったんだ」と、心がふわりと軽くなる。でも、今年は二本立て。次回はもっとたくさんの先生方に出会う旅になりそう。