1年生を迎える会
体育館の扉がそっと開くと、そこには全校の子どもたちが待っていました。拍手に包まれながら、かわいらしい1年生たちがにこにこと入場します。
嬉しいような、恥ずかしいような。そしてちょっぴり緊張した表情が、どの子の顔にも表れていて、こちらまで新鮮な気持ちになります。
「これから『一年生を迎える会』をはじめます。」はっきりとした声が体育館に響きます。企画・運営を務めるのは総務委員会の子供たち。少し緊張しながらも、立派に会のスタートを飾ってくれました。
みんなで楽しむレクリエーションの時間。今日のゲームは「新聞乗りジャンケン」です。ペアで同じ大きさの新聞紙を1枚準備して、その上に立ちます。ジャンケンをして、負けたら新聞を半分に折ってまたその上に立ちます,,,
負けるたびにどんどん小さくなる新聞。つま先立ちになったり、バランスを崩してキャーっと声を上げたり、体育館は笑い声でいっぱいになりました。
「わあ!小さくなっちゃった!」「ギリギリ乗れたー!」と、嬉しそうな声があちこちから聞こえてきます。一方で、ペアの6年生は落ち着いた様子で、負けるたびに淡々と新聞を折ります。
ムムムっ!?もう、無理なのでは,,,?
いけなくはない。か?
とまあ、そんな会話で盛り上がる会場です。
「もう無理かも」と誰もが思ったそのときでした。なんと、一人の6年生がすっとしゃがみ、相手の1年生をおんぶしたのです。そうか、そんなやり方があったか!
おんぶにだっこ、まさにそのままの状態ですが、会場は大爆笑の嵐。重さも気遣いも、全部背負ってくれる六年生の頼もしさに、とても、とても心がほぐれました。
感じてるかな?せなかのあたたかみを。そのやさしさを。感じてるよね。言葉では伝わらないこともあるけど、でも、たった一枚の新聞紙でも、心をあたためることができるんだな~。
最後は、1年生の退場の時間です。拍手の中を、今度は6年生に手を引かれることなく、ゆっくりと歩いていきます。入場のときのあどけなさはそのままに、でもどこか、少しだけ背筋が伸びたように思います。
胸をはって歩くその後ろ姿。その姿に拍手を送る在校生を見つめつつ、何だか誇らしい気持ちになりました。ようこそ、みんなの宮浦小学校へ。いざ『光を浴びて進め』